「環境に適応した魚」(Adaptation to the Environment)

環境に適応した魚
パステル/クレヨン/鉛筆

街の郊外には淀んだ大海が広がっている。
そこには一匹の大きな魚が住んでいる。
川から流れついた彼にとって、大海での暮らしははじめは苦痛そのものだった。
それでも生きていかなければならない。
長い年月をかけて彼は自分の姿を環境に適応させた。
今では苦痛は全く感じない。その代わり、他の刺激も感じられなくなってしまった。
ただ、微かに感じる遥か遠くの日の出と日没のちりつきが、無性に彼の心をざわつかせる時がある。

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